人工内耳(EAS:ハイブリッド)の成人適用基準 (7)
「2026年7月」時点での、日本耳科学会から公開されている 「人工内耳(EAS:ハイブリット)の成人適応基準」 は、以下の通り。
修正点が分かり易いよう、変更部には下線を引き、その下に以前の文章をつけています。
(日本耳科学会とは? = 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会の関連学会。
日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会とは? = 以前の日本耳鼻咽喉科学会。)
残存聴力活用型人工内耳 EAS(electric acoustic stimulation)
適応基準(2023)
両側難聴で植込側耳が下記の3条件全てを満たす感音難聴患者を適応とする。
1) 純音による気導聴力レベルが下記のすべてを満たす(おあしす注:オージオグラムでの図は、ネットで検索してみてください)。
125Hz、250Hz の聴力レベルが 65dB 以下
2000Hz、4000Hz、8000Hz の聴力レベルがそれぞれ 65dB 以上、75dB 以上、85dB 以上
125Hz、250Hz、500Hzの聴力閾値が65dB以下 、
n2000Hzの聴力閾値が80dB以上 、4000Hz、8000Hzの聴力閾値が85dB以上
※ただし、上記に示す周波数のうち、1 カ所で 10dB 以内の範囲で外れる場合も適応とする。
2) 補聴器装用下において静寂下での語音聴力検査(単音節)成績が 65dB SPL で 60%以下である。
※ただし、評価は補聴器の十分なフィッティング後に行う。子音および拗音など日本語単音節を広く評価できる語表の選択が望ましい(推奨 iCI2004)。
2) 補聴器装用下において静寂下での語音弁別能が65dB SPLで60%未満である。
※ ただし、評価は補聴器の十分なフィッティング後に行う。
3) 手術により残存聴力が悪化する( EAS での音響刺激の併用が困難になる)可能性を十分理解し受容している。
※小児適応時期は小児人工内耳適応基準(2022)に準じる。聴力検査、語音聴力検査で判定できない場合は、聴性行動反応や聴性定常反応検査(ASSR)等の 2 種類以上の検査を参考に、1)に相当する低音域の残存聴力を有することを総合的に判断する。
3) 適応年齢は通常の小児人工内耳適応基準と同じ生後12か月以上とする。 1)-2, 聴力検査、語音聴力検査で判定できない場合は、聴性行動反応や聴性定常反応検査(ASSR)等の2 種類以上の検査において、1)-1に相当する低音域の残存聴力を有することが確認できた場合に限る。
禁忌・慎重な適応判断が必要なもの
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が定めた小児人工内耳適応基準(2022)の「禁忌」「慎重な適応診断」に準ずる。
日本耳鼻咽喉科学会が定めた人工内耳適応基準および小児人工内耳適応基準2014の「禁忌」「慎重な適応診断」に準ずる。さらに、禁忌事項に急速に進行する難聴を加える。
具体的には:
禁忌
1) 中耳炎などの感染症の活動期(小児人工内耳適応基準 2022 と同じ)
2) 急速に進行する難聴
慎重な適応判断が必要なもの
1) 画像診断で蝸牛に人工内耳を挿入できる部位が確認できない場合(小児人工内耳適応基準 2022 と同じ)。
2) 反復性の急性中耳炎が存在する場合(小児人工内耳適応基準 2022 と同じ)。
3) 制御困難な髄液の噴出が見込まれる場合など内耳奇形を伴う場合(小児人工内耳適応基準 2022 と同じ)。
高度な内耳奇形
4) 重複障害および中枢性聴覚障害では慎重な判断が求められ、人工内耳による聴覚補償が有効であるとする予測がなければならない(小児人工内耳適応基準 2022 と同じ)。
5) 急速に難聴が進行している時期は避け、安定した時期に行う。
実施施設基準: 人工内耳植込術の施設基準を満たすこと。
実施医基準: 講習会等を受講した医師であること。
人工内耳埋め込み術を10例以上執刀した経験があり、講習会を受講した医師であること。
・実施した場合は「Cochlear Implant(EAS)報告書」を手術実施後3か月以内に 日本耳鼻咽喉科学会に提出すること。
・3年後に本ガイドラインは変更することがある。
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