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2.12.22

2022年12月 更新報告

 2022年12月 更新報告



2022年最後の更新です。

良き年末年始を迎えられますように。。。


①新規:技能五輪全国大会への旅 その2

②新規:聴覚とボイスイルミネーション

③新規:人工内耳の新製品ニュース コクレアN8 

④新規:コクレア社 N8装用者ガイド(N7装用者ガイドとの対比付き)その1~その12


技能五輪全国大会への旅 その2

 技能五輪全国大会への旅 その2



前回掲載した技能五輪全国大会、感想記載しておきます。

感想、といっても、見学できたのは開催中の一日。

しかも知らぬ間のフライト時間変更があり、慌てて幕張メッセに駆け付けたものの、見学できたのは早い午前中の短時間だけ。

夕方までゆっくり見学する予定でいましたので、ほとんど見学せずに去らなければならなかったのは本当に残念です。

ともあれ、早い時間から行われていた競技には足ともども目を走らせてきました。

その中で電子機器組立て部門での競技場所に、人工内耳にも関わりがありそうな課題が展示されていましたので、記憶から消えぬうちに、ここでも掲載しておきます。


電子機器組立て部門の競技課題は、競技当日にならないと公表されないのだとか。

その場で課題を知って、5時間半で作って試作機の測定する競技って。。。凄くない?

サイトでは、競うスキルのポイントが載ってあり、

① 提示された仕様を満たす電子回路基板・機器のハードウエアの設計・試作

② プリント基板の設計・製作を依頼する場合などに必要となる,電子回路CAD を用いた回路図の作成,およびプリント基板図の設計,作成

③ 回路図と組立て図(実装図面)に基づくユニバーサル基板,専用基板への電子部品の実装・組立て

④ 電子回路基板・機器に搭載されたマイコンへのプログラムの実装

⑤ 上記①~④に求められる電子回路解析と測定

とのこと。


当日展示されていた競技課題(第59回東京大会時のもの?)は。。。

『ボイスカラーイルミネーション』

上記の①~⑤は文章が難解なので、簡略して言うと、

①音声周波数分析回路を設計する。

②その回路基板を設計する。

③設計した回路で周波数特性を測定する。

課題に則って設計・試作した電子回路基板・機器の出来が競われる競技です。


この『カラーイルミネーション』とはLED点灯のことで、要は音声を周波数分析・音量分析し、それに対応した色・明度でLED電球を点灯させよ、という課題。

LEDではなく、電極を点灯させよ、と言い換えれば、人工内耳のようなものではないですか。

無論、体内に送信することや手術で電極アレイを移植すること、装用者の神経動作とマッチさせることなど単純な話ではありませんが、ものすごくシンプルに考えると原理は一緒なんだなぁ、と。

今大会でも同じ課題なのかどうかわかりませんが、実演を見たかった。。。残念です。


以下、当日の会場で展示されていた『ボイスカラーイルミネーション』の張り紙。










こちらは会場の様子。






聴覚とボイスイルミネーション

 聴覚とボイスイルミネーション



小学の頃、授業中にちょくちょく脱線話をする先生がいて、その話が教科書よりも何倍も面白い。

「科学」と「化学」、どちらも理科の科目でどちらも「かがく」と読む。

誤解が生まれ易いから「化学」の方は「ばけがく」と読む。

ウィキペディアどころかインターネットなどもない時代、そういうことを知ったのも脱線話からで、その後、ニックネームに「ばけ」や「け」「げ」を付けて呼び合うことが流行ったり。。。


色々な話を聞いたと思うのだけど、強い思い出に残っているのは、

「ここ教室にあるものは全て色なんてついていない。

太陽の光も同じ。

なぜ、赤や青、黄色と色が見えるのか。

私達の脳がその色を弁別するからだ。」

という話。

真偽のほどはわからないのだけど。。。不思議な話で。

その後、中学でも高校でも光の三原色や色の三原色を学ぶことになるのだけれど、その都度、この話が脳裏をかすめていました。


先日、千葉県での技能五輪全国大会を見学に行ったのだけれど、その会場に張られていた「ボイスイルミネーション」課題展示を見た時も、その不思議な話を思い出していました。

末端で周波数分析されたものを、脳がまた別に感覚的に判断する?


音も、「ボイスイルミネーション」課題にあるように周波数分析できる振動波であるだけ。

本当は空気が揺れているというだけで、無音?

音として認識するのは、音周波数に鼓膜が震えたり蝸牛が反応したりして脳に判断させるからなのかなぁ。。。?と。


人工内耳の刺激なんてどうなのでしょう。

人工内耳の外部機が入力されてくる音波を周波数分析して内部機に信号送信、内部機がその信号に基づいて電極に分配してくれます。

その刺激を脳が音として認識するのだけど、音波ではなく信号コードによってパターン化された刺激を、音を聞くのと同じように脳が判断するようになる、というのはなんか凄いことではないでしょうか。


ここで私も脱線話。

最近、ギフトとして貰ったペイントセットで絵を描いていました。


自賛したいところですが、この作品の出来上がりにはタネが。。。

キャンパスとなる下地に初めから番号が振られてあって、その番号の通りに色を選択して塗っていけば、上の絵の通りに仕上がるということなのです。

下の絵が種明かし。


以前、壁のペイント補修をするためにペンキ屋さんに壁のペンキを少し持ち込んだところ、分析器にかけて何色がどのくらいの%でまじりあっているか解析して、全く同じ色に調合したペンキを売ってくれました。

人の目より分析器の方が確かになってる。


上のペイントセットも制作会社が下の絵画写真をおそらくはコンピューターか何かで分析して、色の割振り(この絵画の割振りは粗い方だと思いますが)をして番号付け(コード化)したということなのでしょう。

出来上がった絵画だけを見れば、まぁうまい風景画だなぁと思いますが、下の絵画写真と比べるとちょっと色の割振りが粗くて抽象画になっている、という印象を受けると思います。

(この下の絵画写真も、実際に目で目で見る風景と比べると、色が単純できつく目で見るほどの拡がりや色調がない、という印象を受けると思いますが。)


それでも脳では風景だと分かりますし、空の色彩も山の風景も草原の色合いもそれなりに理解して、良い絵画だなぁという印象をもたらします。

判断能力の幅が広いというか、これが脳の可塑性なのでしょうね。

脳というのはブラックホールのよう、なんと奥深い膨大なる才能を持っているのだろう、と思ってしまいます。


人の聴覚の伸張も、人工内耳のマッピングも。。。

耳は鼓膜や蝸牛で周波数弁別して神経や脳に情報を送りますが、人工内耳は音をコード化して電極経由で神経や脳に情報を送ります。

コード化は限られているけれど、脳はそれをさらに拡げられる可塑性を持っているのでしょう。

あらゆる感覚を統合して、音は単なる音ではなく、それぞれ個人の感覚として色づけられた聞こえとして成り立っていく、小学校の先生が言っていたのはそういうことなのかなぁ。。。と。

人工内耳の新製品ニュース コクレアN8

 人工内耳の新製品ニュース コクレアN8



先月2022年11月にコクレア社の新製品、Nucleus8がFDAより承認を受け、米国のコクレア社サイトに公式に掲載されるようになりました。


何がどう変わったのか、まだ実物を見ておらず、発表の場にも出ていないので詳細は分かりません。

(こういうことに情報の早い米国の自助サイトでも、まだ情報が流れていません。)

承認されたばかりですから、どのような装用感想が出てくるかも何か月か先の話になりそうです。


対応するインプラントは発表されています。

*Profile Plus(CI600台系)

*Profile(CI500台系)

*Freedom(CI24RE,CI422)

*Nucleus24(CI24M、CI24R)

もう少し詳細なN8装用者ガイドからの抜粋は下記の通り。

(それ以外のインプラントのN8バージョンについてはメーカーの説明待ち。)


こういう状況ですので、N8についてどのようなものか感覚的にイメージができたり説明できる人は、同じコクレア社の最近の機種を使っている人ではないでしょうか?


というわけで、今回は比較検討しやすいように、N8装用者ガイドを直近のN7装用者ガイドと並べて掲載します。

更なる特徴の詳細は、メーカーからの説明会開催等で公開されるまでお待ちください。

(かなりの大容量になること、いずれ後には日本語版が作られることから、N8ガイドは英文のままで項目を1~12項に分けての掲載にしています。又、N8ガイドとN7ガイドの記載内容やページを合わせて掲載していますので、改行や改頁が切れているところがありますが、記載もれはありません。)

(写像が読みにくい方は、日本版ではN7ガイドがネット検索で見れますので、N8ガイドと合わせてお読みください。)



コクレア社 N8ガイド (N7ガイドとの対比付き)  その1









コクレア社 N8ガイド (N7ガイドとの対比付き)  その2











 

コクレア社 N8ガイド (N7ガイドとの対比付き)  その3














 

コクレア社 N8ガイド (N7ガイドとの対比付き)  その4