2.2.22

2022年2月 更新報告

  2022年2月 更新報告


2022年の初更新です。

ここ2年ほど振り回されてきた新型感染症の方は、何度かの波を繰り返しての今、過去最高の流行。

このピークを最後におさまってくれたらいいのですが、何ともいえない様相になってきました。


人工内耳や補聴器、補聴FM機器類、聴覚障害支援機器類、こうした情報もほとんどネットで調べたり確認したりするだけになっています。

会合やプレゼンテーションの機会がなくなり、各社リモートワークが推奨されている結果だと思うのですが。(米国の場合)


人工内耳の方は昨年春に掲載した通りで、それもまだ実物を見ていない状態です。

最近のネットニュースでは、今年1月、コクレア社の機種に一側性難聴のFDA承認が出たとか。。。

そういえば、メドエル社も2019年ごろに承認だったでしょうか。

2010年代はバイオニクス社もメドエル社も一側性難聴で機種承認の為の検証がなされることもあったようですから、承認とは別に一側性難聴への有用性については確認済みの筈。

FDA承認の時期には、医療保険制度との兼ね合いなどといった問題があったのでしょうか、それとも健聴耳とのバランス調整などといった課題でも残っていたのでしょうか、そのあたりはどうなのでしょう。


日本では一側性難聴への人工内耳は健康保険の適用ではなく、先進医療になっていたと思います。

新機種の承認にあたっての治験に、一側性難聴者を参加させてあげられたら有益な意見も聞けて医学的にも助かると思うのですが、それはどうなのでしょう。


どうなのでしょう、といくら疑問が出ても、確認する機会や調べに行く場所がないというのが、この2年ほどの悲哀です。

聴覚機器に限らず、いろいろな分野でこの傾向が起きています。

ショッピングも。。。見て触って確認して購入ではなく、ネットで情報を読んでクリック購入。

これって、購入ガチャ?

(日常品や家具などは自粛時も普通に店で買える状態でしたが、特殊なものは購入意識がネット移行している感じがあります。)

というわけで、掲載できる支援機器情報などは内容がネット経由のものになってきています。


そんな中で、今回の掲載は自分でも購入し、しばらく使用して確認した自前の感想付き発信。

ちょっと異色の支援機器?を紹介したいと思います。

題名に反しますが、聴覚に関係したものではありません。

又、実際には支援機器というわけではなく、一般に広く使用されているものです。


どうしてこのサイトで紹介?

以前のことになりますが、聴覚障害者ディサービスを運営されているスタッフの方とお話をさせて頂いたことがあり、その時の話で考えさせられたところがあったもので。。。

詳細は省きますが、超高齢化社会になりつつある今、バリアフリーといえるもの、聴覚障害者も含めて誰もが有用に使えるものなら支援機器として紹介していこう、という気にもなっています。


というわけで、今回は『聴覚障害の支援機器』という題名に対しては異色の2品。

誰もが遠い将来にわたって、いろいろな角度から考えることができるように、できるだけ正確に掲載を努めたつもりです。

更に詳しいことは、各メーカーにお問い合わせください。 

聴覚障害と支援機器(19)

   聴覚障害と支援機器(19)



環境対策だけではなく、高齢化の将来対策にも需要が見込まれている昨今のEV自動車産業。

その中でも注目しているのが、NEVと呼ばれるカテゴリーの電気自動車です。

ここではその一つを。。。日本では販売されていないNEVになりますが、GEMカーという車を紹介します。

(NEVという用語は、近距離電気自動車という意味合いです。)


GAMカーはイベントや工場内移動で使われたりしている近距離使用の電気自動車なのですが。。。身体の不自由な人の目線で書いていきますので、支援機器の題名のまま掲載します。

(聴覚障害の支援機器、という題名には無理があると思いますが目をつぶって下さい。)



この車の注目すべき特徴は、専用の鋼鉄ドアオプションをつけると快適な空間を持つ見栄えある車になること。

(それ以外のドアオプションとしては、トヨタのコムスにつけるようなキャンパスドアがあります。)

移動が目的の通常の車と違って、車内がかなり大きく作られており、特に高さで快適性が得られます。


高さが185㎝ありますから、通常の人ではあまり屈まずに車内に入れるのではないでしょうか。

椅子は運転席に通常と同じく2人分が並びますが、床も含めて横断に遮るものは何もなく、簡単に反対側まで通り抜けられます。

幅は141㎝ですから、『聴覚障害と支援機器(18)』項で紹介したトヨタの1人乗りコムスより30㎝広い程度、それでも2人並びで乗るのにそれほど困りません。


車内の快適性は、余分なものを除いてシンプルな分、こちらの方がコムスよりもちろん大きいです。

ただ、自動車自体の性能は、トヨタのコムスの方が良いと感じています。

まず、GEMカーの最高速度は40km/h。

近距離や施設内を走る移動自動車という格付けなので、公道は走れますが、スピードは40km/hより出せないようになっています。

(海外では結構後ろの車に追い越しされていきます。)

又、ブレーキも後方下がりを防止する自動機能付きといったものではなく、坂道で止まる場合はペダルを踏みしめていないと後ろに下っていく可能性があります。

この点は、足の不自由な人には難点かな?と思えています。

勿論、サイドブレーキはありますから手で止めることもできますが、いちいちサイドブレーキに頼るのはちょっと。。。

GEMカーのブレーキ、アクセルの足踏みペダルを手で安全操作できるように改造するのは、コムス以上に大変に思えています。

メーカーへの特注にするとか。。。可能なのかどうかわかりませんが。


車体後ろには置きスペースがあり、そこに載せるボックスやケージにはいくつかオプションがあります。

更に、バンパー保護オプションが2種類ほどあり、トレイラーなどを引けるように突起が付いているものもあります。

ブレーキのことがなければ、足が不自由な方、車椅子を使われる方には役立ちそうだなと思っていました。


最小回転半径は一番小さなe2カーで約380cmほど、実感としてはもう少し狭くても行けそうです。

前も後ろも大きな窓ガラスで、視界はとても広いです。

キャンパスドアではなく、きちんとした車のドアがオプションとしてありますから、天候や気温の変化にも強いです。


動力は電気。

家庭用コンセントで充電できる100Vです。

充電時間はバッテリー残量が80%以上残っていると早いような気がしています、残量によって充電スピードが違うのかもしれません。


バッテリーには選択する種類がいくつかあり、標準装備のバッテリーは30マイル(約50km)。

それが60マイル(約100㎞)になるもの、70マイル(約115㎞)になるもの、95マイル以上(約155㎞)になるもの、といったオプションがあります。

走行距離が長いのはリチウムバッテリー系で、長距離移動には安心です。

ただ、リチウムバッテリー装用はどちらかというと常時使用の方にお勧め。

セカンドカーとしての使用でなら、乗らない期間が多いといった長期保管に向いたバッテリーを選ぶべきかもしれません。


優れている点は、前述した高い車高からくる快適性や開放感ですが、運転中の振動などはトヨタのコムスの方がかなり抑えられています。

カート車にもみられるようなガタゴト音はありますし、コムスのような安定した乗り心地ではありません。

タイヤのオプションで幅広のインチアップしたものに変えると振動感が変わってくるのかもしれませんが、その分、車の床下丈もあがることをお忘れなく。

どこかで車を止めてPCワークをしたり、お茶を飲みながらくつろいだりする空間快適性にはGEMカーは文句なし、普通車よりもぐっと大きいです。

普通車のような席に腰を落とし込むという姿勢ではないのが楽なのかもしれません。

腰を落としたり頭上空間の低さなどは気にしない、という方にはどうでもよいことかもしれませんが、足腰を伸ばしておく必要がある方、深くかがめない方には助かる快適な乗り物になると思えています。

(ただ、ブレーキの後方下がりの問題が。。。)


購入には基本車両代金にプラスして、どんなオプションが欲しいか、例えば車用の鉄鋼ドア、天井もガラス張りのオールパノラマ、距離が出せるリチウムバッテリー、ヒーター、パワーステアリング、ソーラー走行システムなどなど、それぞれ好みのオプションをつけることによって値段は変わっていきます。

それ以外の車関連の税金、保険などについては地域によりけりで、現在は日本で販売されていない為、書きようがありません。


GEMカーがもしも多様な国で販売されるとしたら、急傾斜のある道でブレーキをかけて止まる場合、後方に下がらないようブレーキを踏み続ける問題などは改良されて販売されると思うのですが。。。

後、災害時にも車から電気がとれるように、オプションとしてでも良いからアクセサリーソケットも装備してほしいものです。

トレーラーをけん引できる車ですし、災害時には重宝する車になると思うのです。

普通に立っていられる車高という点で避難ユニット替わりにもなる車ですし。


EVカー推進は世界的な傾向で、将来的には日本でもEVカーが中心になるものと思います。

特に高齢化が進んでいる日本では、NEVカーも又好まれるようになっていくのではないでしょうか。


NEVカーに望むことはのびのびした空間と快適性。

身体に支障があったとしてもアレンジが効く自由性。

スピードよりも快適性、距離よりも安心感といったところでしょうか。

要は不自由になった時にも免許返納を悩む歳になった時にも、電車やバスよりも自由行動が実感できること、自遊空間を自分で作れること、といったあたり。


日本で流通するようになるかどうかわかりませんが、将来入荷されるならトヨタのコムスと同じくらい紹介したい車ということで、先取り的に掲載させて頂きました。


詳しい仕様については公式サイトからの抜粋で以下の通り。





聴覚障害と支援機器(18)

 聴覚障害と支援機器(18)


昨年、2人用のC+podが個人向け販売(目下はリース契約)されたばかりなのですが。。。

C+pod公式サイトにリンク

ここでは以前からの1人用、超小型EVのコムスを紹介します。


支援機器というより、一般の人も乗る電気自動車的なバイク。

しかしながら、支援機器といって良いほどの優れた部分を持ち合わせています。


注目すべきは、とても足軽なこと。

車内へはスッとは入れてスッと出れる。

ドアはオプションとして付けられますが、もともとドアを付けずに走行できるタイプなので、体を入れるともう椅子。

反対から出るのもホイッと。。。一人用椅子なので簡単です。

ブレーキ、アクセルは足踏みペダルですが、この足操作に支障が出る人には何らかの付加的工夫で、片手でも安全に操作できるよう変更できれば乗りこなせるのではないでしょうか。

車体の後ろは物を置けるスペースがあり、そのスペースをどのように装備するかで、いくつかのタイプが販売されています。

足が不自由な方、車椅子を使われる方はお持ちの道具のサイズがどのタイプに良いか確認してみてください。


と、ここまで読まれてお分かりかと思いますが、身体の不自由な方の目線で紹介しています。

そういう方には車椅子をはじめ、電動椅子、いろいろ支援機器はあると思いますが、行動範囲や自立生活を高めるのには、こうした乗り物は大きな存在になると思えています。


車椅子に頼るほどでない方でも、近所を歩くリハビリだけですますのではなく、歩きやすい場所まで運転していき、歩きやすい環境の良い場所でリフレッシュして歩くなど。

疲れたら、車内に座って休憩すればよいのですし。

前も横も後ろも視界確認が簡単、乗り慣れると快適な車椅子です。


しっかりしたドアではないのですが、窓の付いたキャンパスドアのオプションを買っておくと、雨の日でもぬれずに移動できます。

雨の日に杖と傘を同時に持てず、困っている方を見掛けることもあったので、このような移動はずいぶん助かるのではないかと思えています。


小回りが利き、最小回転半径が約3メートルほど。

最高速度は60kmまで出せますが、他の車に合わせなければならないという状況でなければ、低速で走りやすいところを走っても構わないのです。


動力は電気。

家庭用コンセントで充電できる100Vです。

約6時間で充電できるとのことですが、個人的にはバッテリーを使い切ってから充電するということはあまりないので、1~4時間ぐらいで満になることが多いかな、という感じです。


走行距離は満充電して57㎞。

通常の市町村なら、市内で移動・往復して戻ってくるのにそれほど困らないというところでしょうか。

(この自動車自体にも電気を回収している機能がありますので予想よりも長い距離を走るかもしれませんが。。。バッテリー切れを考えると、長距離移動はお勧めはできません。)


優れている点は、前述した小回りの他、ハンドル操作やブレーキの効果、安定性など。

このサイズの電気自動車としては乗り心地・運転操作がとても安定しています。


購入にはちょっとしたバイク並みの料金がかかりますが、2022年2月時点では20万円のEV事業補助金が交付されていますから、財布に助かることではないでしょうか。

又、車検、車庫証明、重量税、取得税もかかりません。

充電の電池代も満充電しても1回150円ほどです。


どうしても必要なのは、普通免許。

そして、やはり保険には入っておいた方が良いということです。

自賠責、そして任意保険。

ただ、ファミリー特約としても契約できますし、自転車カテゴリーとは異なりますから、安くしようと思えば月1000円台くらいからの金額からでも保険を作ることができます。


こうしてみると、電動車椅子並みの移動手段を、さらに長い距離に、移動時間もかなり短縮でき、手助けの必要が多い電車やバスよりも自由に行動ができる、広く行動範囲を変えられるということが分かると思います。

ただ、通常の歩道・屋内移動はもちろん不可です。

そういう意味では、乗れる人は歩行能力によって限られてしまうかもしれません。

(電動車椅子は搭載できませんが、手動車椅子ならデリバリボックスに収納できるかも?しれませんし、畳んでデッキに括り付けることもできるかも?しれません。)

一応は牽引用の固縛ポイントがありますので、小さな運搬台車でなら牽引できるかも?しれませんが。


ご年配の方では免許を返納される方も多いと聞きますが、免許を返納するのではなく、こうした扱い易い近距離用自動車の買い替えするのもありかな、と思います。


もう一つ、特記すべきはこの電動車の電気が他に使えるということです。

残念ながら、アクセサリーソケットで12Ⅴ10Wですが、災害時には移動も可能で、補聴機器類、支援機器類、携帯電話などの充電には活躍する蓄電池代わりになるのではないでしょうか。

充電場所に困らなければ、災害時には通常の車より便利なものとなるかもしれません。


支援機器としては大層な買い物ですが、一部本当に助かる人がいるかもしれないと紹介させていただきました。


詳しい仕様については公式サイトからの抜粋で以下の通り。