2.2.22

聴覚障害と支援機器(19)

   聴覚障害と支援機器(19)



環境対策だけではなく、高齢化の将来対策にも需要が見込まれている昨今のEV自動車産業。

その中でも注目しているのが、NEVと呼ばれるカテゴリーの電気自動車です。

ここではその一つを。。。日本では販売されていないNEVになりますが、GEMカーという車を紹介します。

(NEVという用語は、近距離電気自動車という意味合いです。)


GAMカーはイベントや工場内移動で使われたりしている近距離使用の電気自動車なのですが。。。身体の不自由な人の目線で書いていきますので、支援機器の題名のまま掲載します。

(聴覚障害の支援機器、という題名には無理があると思いますが目をつぶって下さい。)



この車の注目すべき特徴は、専用の鋼鉄ドアオプションをつけると快適な空間を持つ見栄えある車になること。

(それ以外のドアオプションとしては、トヨタのコムスにつけるようなキャンパスドアがあります。)

移動が目的の通常の車と違って、車内がかなり大きく作られており、特に高さで快適性が得られます。


高さが185㎝ありますから、通常の人ではあまり屈まずに車内に入れるのではないでしょうか。

椅子は運転席に通常と同じく2人分が並びますが、床も含めて横断に遮るものは何もなく、簡単に反対側まで通り抜けられます。

幅は141㎝ですから、『聴覚障害と支援機器(18)』項で紹介したトヨタの1人乗りコムスより30㎝広い程度、それでも2人並びで乗るのにそれほど困りません。


車内の快適性は、余分なものを除いてシンプルな分、こちらの方がコムスよりもちろん大きいです。

ただ、自動車自体の性能は、トヨタのコムスの方が良いと感じています。

まず、GEMカーの最高速度は40km/h。

近距離や施設内を走る移動自動車という格付けなので、公道は走れますが、スピードは40km/hより出せないようになっています。

(海外では結構後ろの車に追い越しされていきます。)

又、ブレーキも後方下がりを防止する自動機能付きといったものではなく、坂道で止まる場合はペダルを踏みしめていないと後ろに下っていく可能性があります。

この点は、足の不自由な人には難点かな?と思えています。

勿論、サイドブレーキはありますから手で止めることもできますが、いちいちサイドブレーキに頼るのはちょっと。。。

GEMカーのブレーキ、アクセルの足踏みペダルを手で安全操作できるように改造するのは、コムス以上に大変に思えています。

メーカーへの特注にするとか。。。可能なのかどうかわかりませんが。


車体後ろには置きスペースがあり、そこに載せるボックスやケージにはいくつかオプションがあります。

更に、バンパー保護オプションが2種類ほどあり、トレイラーなどを引けるように突起が付いているものもあります。

ブレーキのことがなければ、足が不自由な方、車椅子を使われる方には役立ちそうだなと思っていました。


最小回転半径は一番小さなe2カーで約380cmほど、実感としてはもう少し狭くても行けそうです。

前も後ろも大きな窓ガラスで、視界はとても広いです。

キャンパスドアではなく、きちんとした車のドアがオプションとしてありますから、天候や気温の変化にも強いです。


動力は電気。

家庭用コンセントで充電できる100Vです。

充電時間はバッテリー残量が80%以上残っていると早いような気がしています、残量によって充電スピードが違うのかもしれません。


バッテリーには選択する種類がいくつかあり、標準装備のバッテリーは30マイル(約50km)。

それが60マイル(約100㎞)になるもの、70マイル(約115㎞)になるもの、95マイル以上(約155㎞)になるもの、といったオプションがあります。

走行距離が長いのはリチウムバッテリー系で、長距離移動には安心です。

ただ、リチウムバッテリー装用はどちらかというと常時使用の方にお勧め。

セカンドカーとしての使用でなら、乗らない期間が多いといった長期保管に向いたバッテリーを選ぶべきかもしれません。


優れている点は、前述した高い車高からくる快適性や開放感ですが、運転中の振動などはトヨタのコムスの方がかなり抑えられています。

カート車にもみられるようなガタゴト音はありますし、コムスのような安定した乗り心地ではありません。

タイヤのオプションで幅広のインチアップしたものに変えると振動感が変わってくるのかもしれませんが、その分、車の床下丈もあがることをお忘れなく。

どこかで車を止めてPCワークをしたり、お茶を飲みながらくつろいだりする空間快適性にはGEMカーは文句なし、普通車よりもぐっと大きいです。

普通車のような席に腰を落とし込むという姿勢ではないのが楽なのかもしれません。

腰を落としたり頭上空間の低さなどは気にしない、という方にはどうでもよいことかもしれませんが、足腰を伸ばしておく必要がある方、深くかがめない方には助かる快適な乗り物になると思えています。

(ただ、ブレーキの後方下がりの問題が。。。)


購入には基本車両代金にプラスして、どんなオプションが欲しいか、例えば車用の鉄鋼ドア、天井もガラス張りのオールパノラマ、距離が出せるリチウムバッテリー、ヒーター、パワーステアリング、ソーラー走行システムなどなど、それぞれ好みのオプションをつけることによって値段は変わっていきます。

それ以外の車関連の税金、保険などについては地域によりけりで、現在は日本で販売されていない為、書きようがありません。


GEMカーがもしも多様な国で販売されるとしたら、急傾斜のある道でブレーキをかけて止まる場合、後方に下がらないようブレーキを踏み続ける問題などは改良されて販売されると思うのですが。。。

後、災害時にも車から電気がとれるように、オプションとしてでも良いからアクセサリーソケットも装備してほしいものです。

トレーラーをけん引できる車ですし、災害時には重宝する車になると思うのです。

普通に立っていられる車高という点で避難ユニット替わりにもなる車ですし。


EVカー推進は世界的な傾向で、将来的には日本でもEVカーが中心になるものと思います。

特に高齢化が進んでいる日本では、NEVカーも又好まれるようになっていくのではないでしょうか。


NEVカーに望むことはのびのびした空間と快適性。

身体に支障があったとしてもアレンジが効く自由性。

スピードよりも快適性、距離よりも安心感といったところでしょうか。

要は不自由になった時にも免許返納を悩む歳になった時にも、電車やバスよりも自由行動が実感できること、自遊空間を自分で作れること、といったあたり。


日本で流通するようになるかどうかわかりませんが、将来入荷されるならトヨタのコムスと同じくらい紹介したい車ということで、先取り的に掲載させて頂きました。


詳しい仕様については公式サイトからの抜粋で以下の通り。





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