2.2.24

更新報告

 2024年2月 更新報告


良き新年になりますように。。。


と願っていた初日から、大変な天災ニュースが飛び込んできました。

元旦の午後4時に起った能登半島震災。

当初は簡易ニュースで詳細が分からず、こちらの想像で騒ぎ立てても、と思っていたのですが。。。

亡くなられた方200名を超え、重傷者300人超え、全壊した住家2000件を超え、半壊3000件を超え。。。ライフラインも一部で途絶えたりした模様。

真冬の寒い中、恐怖を体感しながら避難していた方々の状況を思うと、こちらの身体まで震えます。

当地の方々が早く安心できる状況になること、早く落ち着いた日常が戻ることを願ってやみません。


今回は震災被害からの早期復興を望み、機器類の掲載を控えることと致します。


被災に会われた方々に早く心休まる平穏な日々が訪れますように。


①新規:『アルコール』項、新規掲載しました。

アルコール

 アルコール



ここ何年かの新型感染症騒ぎのおかげで、消毒液としてのアルコール流通がぐっと増えたような気がします。

以前は、飲み物としての方で有名だったアルコールですが。。。


アルコールには消毒の他に燃焼する性質を利用した使い道もあります。

多くの人が学校の実験で経験してきた、いわゆるアルコールランプが有名ですね。

ろうそくのパワーなんかと比べると、断然強い。

燃えにくい生木でも、アルコールをかけて燃やしていくと少しずつ燃え移り、やがて普通に燃えていきます。


消毒液として使え、清掃や清拭に使え、灯りとして使え、燃料として湯沸かしや調理に使える。

災難時の活用に大いに有用なものになると思うのですが、強くお勧めできない理由が少々あります。

①火の扱いや高温の場所など沸点に近いもののそばにアルコールを置くと引火し易いこと。

②目をつぶし易いなど体に害となるメタノール(メチルアルコール)がアルコールとして含まれている場合があること。

どちらもきちんと理解して使用しないと大変な結果になり得るものです。


アルコールについては新しいことでもなく、もはや語りつくされていることでしょうか。

化学構造や一般的なことはネットでもいろいろ調べられると思いますから、アルコールで調べてみて下さい。


ここでは長らくアルコールを利用してきての経験から思うこと、アルコール利用について大事に思うことを、特に災害時での利用を念頭に、自身の覚書も兼ねて記しておきます。


①アルコールは、エタノール(エチルアルコール)を利用すること。

先にも書いたように、エタノールの姉妹のようなメタノールは同じアルコールでも体に害を与えます。

昔、お酒の入手に厳しかったころ、密造酒に安価なメタノールを使う人々がいたようです。

そして目をやられた、いわゆる失明、メタノールが「バクダン」と呼ばれた由来だそう。

ですから、室内燃焼や調理上での使用には必ずアルコール成分をチェックして、メタノール(メチルアルコール)が入っていないこと、他の作用不明な添加物が入っていないことを確認するように。

「アルコール」のみの記載でどの種類のアルコールか書かれていない場合も屋内での使用は避けた方が無難です。

「植物性アルコール」「醸造アルコール」と書かれているのであれば、とうもろこしなど植物由来のエタノールのことですので安心です。

他には、「調理消毒用アルコール」や「食品洗浄用アルコール」といった記載。

おそらくは植物性エタノールを使用しているのではないかと思いますが、成分に記載があれば選択に助かりますね。


②アルコールを燃料用や消毒用として使用する場合は、エタノール70%以上のものを選ぶこと。

そのくらいの度数があると消毒にも使えますし、暖をとる為の燃焼や調理の為の火力として使うのに耐えます。

ウォッカがそのくらいのアルコール分ですから飲むこともできますが、これほど強い度数では健康上の為にはお勧めできません。

感染予防にマスクの間に醸造アルコールで軽く湿らせたコットンなどを挟む程度なら構わないと思いますが。

ただ、そのくらいアルコール分が多いものですから引火性があります。

保管には十分気を付けて下さい。

火元にはおかないこと、高温になるようなところにおかないこと、なるべくなら短期で使いきれる量を購入するようにすること、特に夏場の冷所保管を心がけること。

アルコール分が60%に行かないような場合は、燃焼用としても消毒用としてもあまり役立ちませんから、コスパ問題以前に実用性でない、つまり用途によっては意味をなさない液体になってしまいます。

(アルコールだけすぐに発火し、その後、残りの水分がたんまり残るだけです。)

反対に、純度が高いエタノール、いわゆる「無水エタノール」などと呼ばれるものですが、これも又あまりお勧めしません。

先に述べたように、アルコールは引火性が強い。

90%以上の度数になってくると、ますます引火し易くなっていきます。

気化し易い物質ですので、気が付かないうちにちょっとした火元でパッと火を起す可能性があります。

その都度に蓋をきっちり閉めること、冷所に保管すること、早めに使い切ること、気化させないこと、高過ぎるアルコール度を避けること、気を付けて。。。


③エタノールを室内で燃焼時には、ときには換気も行うこと。

ガスや石油、炭と比べると害は少ないといわれるエタノールですが、それでも酸素は減少します。

せっかく暖まったのに換気すると寒くなるじゃないか、と思う向きもあるかもしれませんが、燃焼後の空気に新鮮な空気を取り入れることは大事。

エアコンだってときには換気します。

又、特有のアルコール臭もあります。

私は香料を添加してアルコール臭を変えていますが、それでも少し匂う時があります。

屋外で使うなら問題ないですが、屋内でなら換気扇をかける、窓を開けるなど、時には換気する時間をとるようにして。


④エタノールの燃焼時に、燃焼容器にアルミを使わないこと。

ここ何年か前、缶飲料の空き缶を使ってコンロを作るということが流行していました。

キャンプ時など使い捨てに出来て手軽だったからでしょうか。

いわゆるアルコールランプ使用ですが、この飲料缶、アルミで出来ているものが多く、Youtubeなどで多くの人が試作して流していました。

私も何個か作って色々試してみましたが、アルミニウム缶でのアルコールランプ使用はお勧めしません。

アルコールとアルミニウム缶で何らかの反応が起きているようで、燃焼時に異臭が感じられる時があります。

専門的に調べたことがないので有害なものかどうかわかりませんが、出来れば土器、陶器や他のメタルに入れて燃やすことをお勧めします。

また、容器にきちんとかぶせることができる蓋を作ることもお勧めです。

火が爆燃中でも消したいときにサッと消せますから。

容器の燃え残りは、大概は水分などになると思いますが、よく冷えてから水を加えて流したり拭き取ったりと処理もきちんと行って。

燃焼させる周囲設備は、BBQグリルに準じる感じでしょうか。

燻製用グリルの中で使うと、容器の蓋に加えて燻製用の密封蓋で消火が万全になりますから、火の心配がなくなります。


⑤エタノール燃焼の炎の調整をしたいときは、アルコール専用コンロを使うか、小学校で使ったようなアルコールランプの原理を模倣すること。

アルコールを土器など容器に入れてそのまま使うと、火力のコントロールができません。

当然ながら、分量が多い最初の頃が一番激しく燃え、アルコール分がなくなっていくと弱まって、最終的にスーッと消えます。

部屋の暖をとるとか、やかんのお湯を沸かすとか、お風呂のお湯を用意したいとか、大量に火を使いたいときには向いているかもしれませんが、料理に合わせて弱火にしたり強火にしたりという調整は、そのままの容器だと難しいです。

容器に蓋をかぶせると消えてしまうので、一部をかぶせるとか工夫はできますが、それでも火力は強く、蓋が加熱される結果になります。

それなら、と蓋をかぶせて火を消してしまうと、残ったアルコール分が内部で気化してしまいますから早めに処分する必要があります。

何らかのきっかけで引火する心配もありますので。

小さい容器で少量のアルコールで、と大きさや量を変えて火力を調整することは可能ですが。。。火の使い道をあらかじめ決めて容器を選ばないといけなくなりますね。

まあ。。。現在はキャンピング流行で、キャンプ用グッズとしてのアルコール専用コンロをもっている人が案外いるのかもしれません。

キャンプ用グッズを災害用グッズとして使えるのならそれに越したことはありません。


⑥エタノールは業務用で購入すること。

被災時には少量のアルコールなど役立ちません。

最低でもやはり3日間は実用的に使えないと意味がないのではないでしょうか。

部屋で暖を取るにも、石油ストーブ並みに量を消費します。

ですから、リットル単位で廉価に購入できる業務用をお勧めします。

食品などを扱う店舗や施設で使うような、業務用エタノールとかレストラン用エタノールとかの表示で売られている植物性由来のエタノール。

(ちなみに「燃料用アルコール」というのも売られていますが、屋外での使用を想定しての販売なのか、メタノールを含有しています。)

2リットルくらいのものをこまめに補充購入するのがコスパ的にも一番良いように思います。

コスパが悪いのは、100ml~1リットルくらいの小ビンやボトルで売られているような消毒用エタノール。

勿論、傷口の消毒用としてはそれで十分だと思いますが、被災時に多様な用途に使用する、例えば体の清拭、部屋の清掃、食品消毒、燃焼用、冷感用に使うとなると、石油やガス、水道や氷よりもずいぶん高い燃費となります。

単価当りの費用でいえば、エタノールの燃費は数多くある燃料の中で一番悪いのではないでしょうか。

他の燃料との差を埋めたいと思うのでしたら、なるべく業務用エタノールを使う。

ちなみに、紙コップ一杯の水を沸かすのにはエタノール10mlくらい。

(紙コップに水を入れてそのまま紙コップの下から火をあてると、燃えることなくしっかりお水が沸騰しますよ。鍋に入れて沸かす手間が省けるので、少量なら紙コップに水そのままで。)



以上、色々書きましたが。。。アルコールはあるととても便利です。

煮沸の他にも、調理に、灯りに、消毒に、清掃に、清拭に、燃料に、避暑に、ちょっと知っておくと低温症対策になりますし、熱中症対策にもなります。

アルコール度が高いと近くの火元から引火し易いために危険物にもなるわけですが、今回の震災のようにガスや電気などライフラインが途絶えた時、常備しておいた消毒液がかように使える、というのを知識しておくことはずいぶん助かることなのではないでしょうか?


南海トラフ地震など40年以内に起る確率が90%、と堂々と発表されています。

この発表は、今の子供から中年までの人は、ほぼ確実に生きている間にその実際を知ることになる、と国の科学者達が言っているということです。

(そう言われ続けてずいぶん経ちますから、マンネリ化してきた感は否めないのですが。。。)


2024年新年初日に起った今回の能登震災のように、ある日突然やってくるのかもしれません。

警報アラートがなる、っていっても、今回の地震を思うとどこまで役に立つのでしょう。


地震をもっと早く予知する技術が進歩、あるいは地震の出現パワーを無人場の方に誘導させる技術が進歩してくれるなら良いのですが、100年前の予知と今の予知にどれくらいの進歩があって、近年の地震にどれくらい活かさせてきているのでしょう。

やはり少なくとも40年は、各自が震災にあっても何とかなる常備、知識を備えておくしかないような気がするのですが。。。