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2.10.26

人工内耳の感覚 (5)

  人工内耳の感覚 (5)



『人工内耳の感覚 』。。。久々に使う、このタイトル。

10年以上前と、現在の聞こえはどのくらい違う?

似たようなシチュエーションでの体験をしたもので、記録しておこうと思います。


先日、久々に多人数参加のお祝いパーティーがありました。

会場はレストランの一部が貸切りになっていて、長くつなぎ合わせたテーブル3列が全て満席で、おそらく数十人はいるような状態。

テーブルに着く全員がそれぞれ周囲と言葉を交し合い、談笑し合い、その音声パワーが重なり合って、ざわめきの波のような雑音で聞こえてきます。

既ににぎわっている中に、遅れての到着だったので、長いテーブルの末席の方に座り、周りの方の会話を食事をしながら聞くこととなりました。


私の機種は、近年の機種ではなく、その一つ前のもの。

雑音低減機能(クリアボイス設定には小・中・高の3段階があります)は入っているのですが、雑音環境が私の低減設定を十分超えているもので、雑音のさざ波が打ち寄せるように入ってきます。

指向性機能が働いている、と感じたのは、雑音の中でも人工内耳のマイクが向いた方向に顔を向けると、その方向にいる離れた人の声でも少し浮いたような声で入ってくることでしょうか。

だからといって、その人が交わしている会話がはっきりと聞こえているというわけではなく、浮ついた音質の声。。。という感じで聞こえていますが。


近隣の席につく方々は比較的はっきりめに話してくれていた為、とりあえず音声としては入ってきます。

隣席の方々の会話が分かり易いかと聞かれたら、この距離でこの声量でなら英語母語者ならまあまあ分かるかも、と私には思えました。

パーティーを楽しめた要因は、分かり易く話そうとして下さった方々やスマホで話の要点を手打ちしてくれたりする人がいたことでしょうか。

手間をかけていると思うのですが。。。感謝です。


そうのこうのとしているうちに、食事時間がすみ、テーブルの前の方でパーティー主役の方へのお祝いスピーチが始まりました。

テーブルに着く皆が会話を止めて、前方に注意を向けている為、延々と続いていた雑音の波がかなりおさまってきました。

マイクで増幅したスピーチが前方で行われ、その後はテーブルのあちらこちらで手上げ式スピーチになっていき、その都度、スピーチ用のマイクがバトンタッチされていきます。

中には、ギターの引き語りで、メッセージを流す方も。


その間、私は何をしていたかというと。。。人工内耳の外部機につくボタンをいじっていました。

ボタン調整しないと聞こえないから、というわけではなく、ボタン調整でどのような聞こえが変わっていくか確認しようと。

普段はわりあい静かな環境で過ごしていますから、このような環境になることはあまりありません。

聞こえにくい環境である(距離もあり、マイク音声ですから聞き分けにくいです)のなら、どうしたら快適になるか確かめてみようと、それでいじっていました。


まずは外部機の調整ボタンを下に押して、音が小さくなる方向にどんどん下げていきます。

雑音の波がスロープを降りるように減っていき、静かさが増え、快適な気分になっていくこと、この上ない。

しかし、周りの音だけではなく、隣の人の声も自分の声も聞こえなくなっていくので、下げるたびに一種の寂寥感も沸きます。


音がかすかに鳴っているだけの段階を過ぎると、ついに音が聞こえていないのかな?というレベルにまでなっていきます。

なんか音のようでそうではないような曖昧な感じ。 

(両耳聾でも片耳は裸耳として残っている為、雑音の振動を感じている可能性もあり得るのですが。)


そこから、今度は少しずつ、ボタンを上に押していきます。

一つ上げると、最初に低い音が入り、それから鈍~く低~いギターの音も入ってきます。

更に上げると、マイクをもった男性の低~い声が入ってきます。

また上げると、ギターの音が豊かになり、アレッ、さっきの男性の声はもう少し張りがあったのか、という感想になってきます。

また上げると、この声が男性の方の本来の声に近いのかも、という聞こえになり、女性の声も結構通るようになってきますが、拍手が起きるとどんな声も全滅。

また上げると、音楽が豊かな音色になってきて、女性の声も普通っぽくなってきます。


耳にかけたままボタンを見ないで押しているのですが、これが普段の調整ボタンの固定位置かな、となんとなく感じています。

人々が話し出すと、又、雑音の波が入ってきますが、一旦最少位置まで下げて徐々に上げてみたせいなのか、雑音の正体を頭が少し理解したのでしょうか、当初よりも雑音感は減っています。

会場の音に慣れたせいかも? それとも単純にスピーチ後の雑音は当初より総量が低くなっているだけかも? と思い巡らしたり。

(感覚をこのようにいじると、周りの変化や音量が分かりにくくなりますね。)


また上げると、女性の音声がかぶさると、男性の話す声が分かりにくくなる。。。女性の声の方が、通り易い感じでしょうか?

また上げると、今度は男性の声は非常に分かりにくくなって、女性の声は高い声になってくる。

また上げると、合間に起こる笑い声がめちゃくちゃ会話を邪魔するレベルになって、近くの人の声でも何を言っているかさっぱりわからなくなる。

入力の幅が広がる、男性の声なんて完全に無視レベル。。。こうなると、女性の声も分かりにくい。

更に上げると、雑音下でのいろいろな音が入り乱れてごちゃごちゃして、うるさいというか煩わしいというか。。。


こんな大音量を続ける気はないので、ここで人工内耳を耳から外し、電池を外して音量のリセット。

人工内耳を耳につけなおして、常時使っているプログラムに仕切り直し。

(バイオニクス社のプログラムでは調整ボタンは中央にしたままが基本です。いじることはほぼありません。)


機器の調整ボタンを上げるにつれて、低周波数に高周波数が追加されていくような感覚に、ある程度のところを超えると高周波数成分も音量も強い感覚になっていくのですね。

(他メーカー機種や新機種を使ったことがないので、私の機種では、という前置きをつけますが。)


パーティーから戻ってきた後、同じくパーティーのことを書いていた過去記事(2015年8月掲載の『人工内耳の感覚 (1)~(4)』項)を読んでいました。

うーん、11年前のパーティー時の頃とあまり変わってないような。。。

(今の機種にコンバートしたまま長く使ってきているので、変わっていないのが当たり前なのかもしれませんが。)




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