補装具としてのワイヤレス補聴システム
ワイヤレス補聴システムについて、時系列が分かりやすいよう、起承転結の形で記しておきます。
起:役所から連絡があり、その内容が、聴覚障害者用ワイヤレス補聴システムのロジャーについて。
ロジャーは、自立支援機器(日常生活用具:2017年6月掲載『聴覚障害と支援機器(3)』項))に該当するのではなく、補装具に該当する、というもの。
2017年6月掲載の『聴覚障害と支援機器(8)では、
ロジャーは補装具として認可されていない(自治体によっては認められることもあり)ので、補装具としての申請は不可、障害総合支援法の機器(聴覚障害者用情報受信装置や携帯用会話補助装置など)の扱い、
といったようなメーカー情報を転載していたのですが、どうやら補装具として認められている模様。
承:地方の厚生労働省、及び市役所での話。
自立支援機器(日常生活用具)の聴覚障害者用情報受信装置や携帯用会話補助装置と、補装具との違いは何なのでしょう。
厚生労働省の方に話を聞きに行くと、その基準は国と中枢都市では異なることがあるので、役所で詳しく聞いた方が、と。。。どうも明確な基準はないという印象。
役所の方の話では、補装具は国の補助が入り、自立支援機器は地方が、というような話を少しされましたが、複雑な仕組みなのか明確には仰らず、ワイヤレス補聴システムは補装具として扱う、とのこと。
(下記は、厚生労働省公式サイトからの、日常生活用具の要件や定義です。)
転:医師、及びメーカーのカタログからの話。
医師に会いに行くと、補装具としての支給には医師の意見書がいるのだけれど、それには1か月くらいかかるものとのこと。
何にそんなに日がかかる? 役所の方が話していた試用期間というのも含めるからなのかもしれませんが。。。
メーカーのカタログも最新版を頂いてきて過去のものと比べてみると、不思議なことに、送信機が今年のカタログに書かれている価格が昨年より数万増額した20万円前後、そして受信機が昨年より数万減額した4万円台に変わっているではありませんか。
送信機・受信機とも機能は別段変わっていないのにいきなり? この急激な価格変化は何?
結:詳しく調べた総まとめです。
昨年2025年3月31日付で、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課と子ども家庭朝支援局障害児支援課の連名で、全国の地方自治体に向けて、補装具についての改正通知がなされていました。
ロジャーのようなワイヤレス補聴システム機器が、昨年の2025年4月1日より補装具として全国的に統一されています。
現在では、今年2026年3月31日付の通達(義肢装具の方に一部改正)に塗り替わっていますが、聴覚障害者用については昨年と同様の内容が地方自治体に向けて発されています。
カタログにある価格の急激な変化に影響したのは、おそらく昨年2025年3月31日付けの厚生労働省の通知である「補装具費支給事務取扱要領」。
「補装具費支給制度で支給できる補聴援助システムは、カタログ等に価格が記載されているもので、カタログ等に記載の受信機の価格及びワイヤレスマイクの価格の合計が232000円の範囲内のものに限ること。」とされていました。
その為に、メーカーのカタログ記載の価格が、消費税抜きで232000円に収まるように変更されたようです。
その要領から約1か月半後の5月13日、「補装具費支給事務取扱要領の一部改正について」の一部改正について。。。と、改正の再改正通知がなされています。
2025年3月31日付けの通知に、価格記載に間違いがあった模様です。
「補装具費支給制度で支給できる補聴援助システムは、カタログ等に価格が記載されているもので、カタログ等に記載の受信機の価格及びワイヤレスマイクの価格の合計が232700円の範囲内のものに限ること。」と訂正。
というわけで、ワイヤレス補聴援助システムを補装具として申請する場合、カタログを見て、送信機と受信機の価格合せて税抜232700円の範囲内での機器を選択するようにしてください。
オーバー分を自費払いすれば、というものではありません。
「カタログに記載の価格が、受信機は6万円、ワイヤレスマイクは20万円であり、合計額は232700円を超えていたが、受信機だけが必要であったため、受信機を支給した。」というのは不適切な支給の例として参考にされており、この場合は支給されません。
(232700円が正確な値段ですが、制度決定に敏感なメーカーさんは改正早々に素早くカタログ作ってしまったようで、価格は送信機と受信機で合計232000円に収まるように構成されています。その為、不適切な価格に該当することはないと思いますが。)
(下記は、フォナック社公式サイトからの、ロジャーの送信機・受信機のカタログです。)
補装具の方も自立支援機器の方も現物支給ではなく、支援機器カテゴリー別に定めた価格内での選択(実費支給)になっています。
ワイヤレス補聴システムの、補装具としての全国的な統一が、聴覚障害者にとって吉報なのか改悪なのかよく分かりません。
意見書などを含めた補装具としてのシステム上からは、学童や就業者には吉報となるように思いますが。
ワイヤレス補聴システムについて、申請時には各自で自治体に相談してみてください。
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