2.2.25

マップが合わない時 その4

 マップが合わない時 その4



2020年10月の『マップが合わない時』項で、「マッピングの設定や感覚の一致を分かりやすく」と記していたのですが。。。そのことに触れます。


マップの設定は、各自に合わせた電極アレイの形態、位置決めした電極と神経との間隔、それに見合った刺激方法や符号化など、いろいろな術後状況で各自異なる結果になるので、それぞれの担当の調整者さんとやりとりしながら調整を、というしかないのですが、一般的な話として、自分でマップと感覚の合致を知る簡単な方法を。。。

(勿論、これは成人装用者に関してです。これから言葉を覚えていく乳幼児ではありません。)


おおざっぱなものではありますが、自宅でできて本人にも分かりやすい、一番手軽で簡易な判断方法は、というと。。。

別段、特別なことでもなくて、日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会の発表した指針にも書かれていることなのですが。


2024年4月の『人工内耳のアップグレード指針』項を覗いてみてください。

新機種へのアップグレード指針を載せています。

静寂下、65dBSPLの刺激音を1m離れたスピーカで提示した時の人工内耳での単語検査の明瞭度が80%。。。云々が書かれています。


この音量、65dBSPLの声は1m離れた普通の会話音。

一般的な人工内耳の聞こえというものは、静かな環境条件において、1m離れた普通の音声での単語や文章の聞き取りで平均的におおよそ80%以上の聞き分けが可能、ということです。

(CI2004検査は通常の語音明瞭度検査のことではなく、又、%の評価も同等ではありません。)


1m。。。つまり、普通会話の距離と音声で、単語や文章の聞き取りがよく聞きとれていることが大事。

これはイコール、感覚が合っているということ。

そして、快適域も合っている、ということなのです。


2016年8月の『聴覚と末梢神経障害2』項で、オーストラリアでの発表を囲み引用しているように、もうずいぶん以前から人工内耳装用(SPEAK法)しての人工内耳のみで、CID文章正答率が平均的に80%とされています。

(それ故に人工内耳の手術の適応基準は裸耳の良耳50%なら考慮、となった次第で。。。)


聞き取りの様相をきちんと知りたい方は、人工内耳を装用して、1m距離から何らかの単語の聞き取りテストを記録してみてください。

家族や友人にランダムに単語を選んでもらい、或いはレコーダーやスマホで聞きやすい単語集を使い、1か月ごと、1年ごとなど、期間を決めて。


装用当初はともかくとして、調整が落ち着いた後は経時的に良い明瞭度が続くようになっていくと思います。

これが同じ環境条件で、安定せずデコボコしていたり、音量を上げなければ良く聞き取れなかったり、或いは煩くて音量を下げなければ分かりにくかったりすると、快適域が合っていない、ということなのです。

自分でできる音量調整をしても解決しない場合は、マップ調整者に相談し、明瞭度が良く落ち着くように調整してもらってください。

調整しても良くない場合は、アップグレードの機種の方がよりアシストが効くかもしれません。


こうした記録を医療機関でやっている人もいると思いますが、装用当初のうちは定期的につけておく、或いは記録をもらっておくと、異常発生時の参照比較にもなり、マップ必要の発見が早くなりますし、聞き取りの変化も確認できます。

家族から最近聞き取り悪くなったね、と言われたりするより、数値で確認出来る方が自身も納得しやすいのではないでしょうか。


(追記: 適当でもよいという人は、身近な人との普段の会話での聞き取り具合を、時々に比較してみる程度でもいいかのもしれません。

過去の記憶などは曖昧になりがちで当てにならないのですが、アバウトな過ごし方でも長い目で見れば結果的にそんなに変わらないかも。)


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