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2.4.26

小児難聴診療の手引き

www.jibika.or.jp/uploads/files/guidelines/shoni_nancho_0430.pdf


小児難聴診療の手引き

クリック先:www.jibika.or.jp/uploads/files/guidelines/shoni_nancho_0430.pdf



小児難聴がテーマとなっている為、総論としては、早い発見・療育、的確な支援・医療、が中心です。

内容は大きく分けて、①発見、②手段、③教育、④環境、⑤症状、⑥制度、といったもの。


①発見は、まずは新生児の検査について。

そこからの流れを具体的に示してくれています。

精密検査で行う、他覚的検査のABR、ASSR、OAE、自覚的検査のCOR、VRA、BOA、それぞれの利点や欠点、そして読み方が記述されています。

OAEについては、新生児を含む小児難聴の検査ですから、新生児期特有の外耳・中耳の影響等の影響を受けやすいことにも言及、又、結果良好とされてしまう場合でも要注意があるとして、特別に1項目作って解説してくれています。

早期発見した後の体制づくりについても、多様な難聴レベル・状態ごとに、分かりやすく書かれています。


②手段は、補聴器・人工内耳について。

調整の考え方にも触れていますし、補聴器をつけたがらない子供への対応についても書かれています。

人工内耳については、2022年の小児人工内耳適応基準を掲載して、条件を満たすなら言葉の獲得期に受けておく重要性を述べています。

手話やキュードスピーチについては、医療手段というより、身近にいる保護者が習得・活用を進めることになる一つの言語という立場になりますから多くは書かれていませんが、きちんと触れています。


③教育は、幼児期の療育施設やコミュニケーション手段について。

聴覚特別支援学校や通園施設の特徴、どのように利用するべきか、就学までに何を得るべきかについて考える内容になっています。

就学後についても、難聴学級や通級制度、教育課程の編成等について書かれています。

音声のみにとらわれず、読唇や手話を適時に併用するのも良し、豊かなコミュニケーション手段につながる等と触れています。


④環境は、福祉・教育現場の方にも目を通しておいてもらいたい内容となっています。

医療機関や保護者から情報提供として、これをこのまま渡しても良いのではないかと思える内容です。

補聴援助システムを含めた補聴機器を活用した教育方法やセルフアドボカシーについても。

教室内の騒音対策では、座席の重要性や教室の作り等にも触れています。

こうしたことの啓蒙が、近年の音響機器、視覚機器、AI活用をした、誰もに恩恵がある教育方法に結び付けることになるかもしれません。


⑤症状は、軽度難聴を含めた難聴レベルでの聞こえ方や重要ポイント。

当事者小児さんと過ごす保護者の方には実際が分かっていると思いますが、その症状をいざ学校や周囲の方に説明するのは難しいもの。

特に、軽度難聴、一側性難聴、進行性難聴などはなおさら見えない疾患だけに、こうして専門家が書いたものを読んでもらう方が分かってもらいやすいかもしれません。

ここ近年の動向を反映してか、遺伝学的診断のことも載せています。


⑥制度は、医療者が把握しておかなくてはならない部分になるでしょうか。

聴覚障害における身体障害者手帳、軽・中等度難聴児童への補聴器助成、共通テストでの配慮(手話通訳士などの配置や文書伝達も含め)事項等。

制度そのものよりも、検査の原理・測定技術を言語聴覚士さんが確立していることが重要かと思います。

その他、多くの制度は申請、耳鼻科医というだけではなく指定医に、といった注意事項が記されています。


全体としては96ページと長い文書ですが、子供の難聴が分かった時に、落ち着いて行動する為に役立つ良い文書だと思います。

特に、子供の環境的な配慮を求める時にも、該当部分を切り取って配布する等、長く役立つのではないでしょうか。

上記に、サイトアドレスを張っていますので、目を通してみてください。



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