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2.4.26

更新報告

  更新報告 2026年4月 



今月は、日本耳鼻咽喉科学会の記載引用となります。
ここ1~2年の間に発行された、耳鼻咽喉科・頭頚部外科学会が公認或いは編集によるものです。

掲載のものは、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の近年の方向がよく反映されているのではないでしょうか。
診療の現場で詳しく説明するには時間的にも大変なことでしょうから、こうした手引きが公開されていることは、必要とする方々の難聴理解、全体のボトムアップになる良き手段だと思います。

一般の人にも難聴についてわかりやすい内容になっていますから、悩んでいる方は読むことで助けられるところもあるかもしれません。


①新規:『小児難聴診療の手引き』項、新規掲載しました。

②新規:『騒音性難聴に関わるすべての人のためのQ&A』項、新規掲載しました。




騒音性難聴に関わるすべての人のためのQ&A

ibarakis.johas.go.jp/2024/wp-content/uploads/2024/07/souon_20240522c.pdf


騒音性難聴に関わるすべての人のためのQ&A 第3.2版

クリック先:ibarakis.johas.go.jp/2024/wp-content/uploads/2024/07/souon_20240522c.pdf



成人の環境問題、特に騒音がテーマとなっている為、Q&Aの内容も、騒音障害防止、成人の聴覚が主となっています。

内容は大きく分けて、①騒音の影響と難聴、②騒音関連の耳疾患、③作業環境の管理、⑤診断と検査、⑥診断後の措置、⑦労働衛生の教育、⑧法令や制度、といったもの。

ヘッドフォン難聴も少し取り上げられています。

各Q質問へのAアンサーは、上記のサイトアドレスで読んでください。


①.騒音の影響ならびに騒音性難聴について 

Q1-騒音の人体への影響を教えてください。 

Q1-日常生活で聞く音の影響はないのですか。 

Q1-ヘッドホンやイヤホンの使用で難聴を発症することがありますか。 

Q1-近くに飛行場があります。ジェット機の騒音は影響あるでしょうか。 

Q1-騒音性難聴になるとどんな症状が起こりますか。 

Q1-騒音性難聴発生にエビデンスはありますか。 

Q1-大企業を中心に騒音対策が進んでいると聞きましたが、具体例を教えてください。 

Q1-騒音性難聴になりやすい人となりにくい人がいるのですか。 

Q1-騒音性難聴は対策を取らないと全く聞こえなくなりますか。 

Q1-既に難聴が起きてしまった場合、どのようにしたらよいですか。


②.関連する耳疾患について 

Q2-銃火器による難聴も騒音性難聴と同じですか。 

Q2-騒音性難聴と老人性難聴の違いを教えてください。 

Q2-耳鳴を訴えるとき、どのように対処すればよいですか。 

Q2-通常よりも音が極端にうるさいと感じる耳の疾患はありますか。 

Q2-めまいとの関連を教えてください。 

Q2-中耳炎で聞こえにくい人は騒音性難聴になりにくいですか。 

Q2-林業でチェーンソーを使い振動があります。耳を保護するために耳栓と耳覆い(イヤーマフ)はどちらが良いですか。 

Q2-高気圧作業安全衛生規則に基づく健康診断でも鼓膜及び聴力の検査が定められていますが、何を行えばよいのでしょうか。 

Q2-ムンプス難聴(おたふくかぜによって起こる難聴)で一側難聴の労働者がいます。健耳を守るためには一般の労働者と同じ対応でよいですか。 

Q2-聴力検査を偽る場合がありますか。 


③.作業環境管理(騒音測定および騒音低減策を含む) 

Q3-騒音の作業環境測定を実施すべき事業所の基準を教えてください。 

Q3-管理者の設置など、労働衛生管理体制で必要なことを教えてください。

Q3-派遣労働者の場合、派遣元と派遣先事業者はそれぞれ何をすればよいですか。

Q3-騒音の作業環境測定を実施する場合、どのように測定すればよいですか。 

Q3-最近研磨装置が導入され騒音が発生するようになりました。耳栓着用と健康診断を行う予定ですが、作業環境測定も必要ですか。

Q3-6 当工場の騒音作業は原則遠隔操作で行い、点検等のため1日に  分程度作業員が立ち入るだけですが、測定が必要でしょうか。

Q3-騒音がありますが作業環境測定を行っていません。どうすればよいですか。

Q3-測定ではどのように測定ポイントを決めればよいですか。

Q3-6 mに満たない狭い部屋は1箇所だけ測定すればよいですか。 

Q3-測定を行う高さは1.2~1.5 mとなっていますが、低すぎないでしょうか。

Q3-騒音計の時定数はSlowではだめですか。 

Q3-ハンマーによる断続的な騒音があります。衝撃音のある騒音職場では基準が変わりますか。 

Q3-スマホのアプリで騒音計機能を持ったものがありますが信頼できますか。 

Q3-測定結果の評価はどのようにすればよいですか。 

Q3-85 dB(A)以上の作業場があります。耳栓着用の表示しかしていないが、管理区分の表示も必要ですか。 

Q3-第Ⅱ管理区分のとき、作業環境管理、作業管理をどうしたらよいですか。第Ⅲ管理区分ではどうですか。

Q3-測定は90 dB(A)未満で第Ⅱ管理区分相当、 測定だけが90 dB(A)を越えました。どうすればよいですか。 

Q3-管理区分ⅡとⅢで異なる標識が必要ですか。 

Q3-作業環境の改善を行いたい。何をどうしたらよいですか。 

Q3-搬入部・搬出部に10 cm四方の開口部があり閉じることができません。どうすればよいですか。 

Q3-気吹き(エアーブロー)の音がうるさいので改善したい。 

Q3-インパクトレンチ作業の音がうるさいので改善したい。 

Q3-鉄板の作業台の上で行うインパクトレンチを使っています。

Q3-大企業では専用の施設に変更して、シャッターで騒音防御するという対策を講じていると聞きましたが、かえって騒音がひどくなりませんか。

Q3-騒音レベルがある時間帯だけ90 dB(A)になってしまいます。どうすればよいですか。

Q3-化学物質では第Ⅲ管理区分は第Ⅰ管理区分の管理濃度の1.5倍となっています。騒音では管理区分が85 dB(A)と90 dB(A)で分けられており、整合性はありますか。

Q3-外部機関に作業環境測定を依頼する場合、監督官庁に提出できる公的な報告書を作成してもらえますか。 


④.作業管理(騒音性難聴防止対策) 

Q4-騒音作業場があり、騒音を小さくすることができません。対策を教えてください。 

Q4-耳栓と耳覆い イヤーマフ はどのような製品を選べばよいですか。 

Q4-職員が耳栓を着用するとコミュニケーションがとりにくいといっているがどのように指導したらよいですか。 

Q4-建屋内の一部しか85 dB(A)以上になっていないのですが、耳栓の着用はどのように指導したらよいですか。 

Q4-グラインダー作業時だけ騒音が発生します。その時だけ耳栓をすればよいですか。

Q4-第Ⅲ管理区分では耳栓着用は義務ですか。 

Q4-音源から離れて作業する労働者にはどのように指導したらよいですか。 

Q4-難聴があり普段から補聴器を使用している労働者がいます。騒音作業を行うにあたって補聴器の上から耳覆い(イヤーマフ)を装着して作業をするのは適切ですか。 

Q4-騒音職場には一週間に数回しか行きませんが、対策は必要ですか。 

Q4-耳栓・耳覆い(イヤーマフ)は付けたり外したりしてもよいですか。

 

⑤.健康管理①(健康診断と聴力検査) 

Q5-騒音作業従事者の聴力検査は年に1回ですか、半年に1回必要ですか。

Q5-特殊健康診断として行われる定期健康診断の選別聴力検査で所見ありとなった労働者がいます。次にどうしたらよいですか。

Q5-聴力検査はどのような人が行うことができますか。

Q5-騒音職場を担当しています。いつ聴力検査を行えばよいですか。 

Q5-1,000 Hzでは、30 dBが、4,000 Hzでは40 dBが聞こえればよいのでしょうか。

Q5-定期健康診断で4,000 Hz-25, 30 dBの選別聴力検査は妥当ですか。 

Q5-半年に 度の定期健康診断は、必ず選別聴力検査をしなければなりませんか。

Q5-作業環境測定で第Ⅰ管理区分でした。特殊健康診断として求められる半年ごとの定期健康診断は必要ですか。

Q5-聴力検査の結果がマイナスで返ってきました。どういう意味ですか。

Q5-選別聴検で所見なしでした。耳鳴の訴えはありますが何もしなくてよいですか。 

Q5-選別聴力検査で片側だけ所見ありとなりました。どうすればよいですか。

Q5-左右とも250 Hzの聴力だけ低下している労働者が多数います。どうすればよいですか。

Q5-騒音健診の実施及び評価はだれに依頼すればよいですか。

Q5-健康診断を行いました。この後、何をすればよいですか。

Q5-騒音職場を離れた労働者の聴覚管理は、その後何年続ければよいですか。 

Q5-健診機関に聴力検査を依頼していますが、正確にできているか疑問です。

Q5-難聴のふりをする労働者もいるかもしれません。どうすればよいですか。

 

⑥.健康管理②(健康診断結果に基づく事後措置) 

Q6-健康診断で所見ありの労働者が複数います。どうすればよいですか。

Q6-騒音特殊健診後の事後措置を教えてください。 

Q6-労働基準監督署への報告の仕方を教えてください。

Q6-聴力に左右差があり該当する健康管理区分が異なる時はどうすればよいですか。 

Q6-高音域聴力検査で3,000 Hzや6,000 Hzを測ったときも4,000 Hzで判断するのですか。 

Q6-すでに騒音性難聴と診断されております。進行を防ぐにはどうすればよいですか。 

Q6-難聴が大分進んでいるようです。どのように対応したらよいですか。 

 

⑦.労働衛生教育 

Q7-騒音について従業員教育を実施したい。どうすればよいですか。 

Q7-職場の衛生管理者が社内で教育を行いたいのですが問題ないでしょうか。 

Q7-労働衛生教育の実施方法を教えてください。教育機関はありますか。 

Q7-運送会社では車中にて大音響で音楽を聴く運転手にはどう指導すればよいですか。 

Q7-イヤホンで交信しながら作業しており、難聴の原因になっているようです。

Q7-4000Hzで所見ありです。一般の労働者と同じ指導でよいですか。

 

⑧.法令・制度等 

Q8-騒音性難聴に対する衛生管理者の役割を教えてください。 

Q8-騒音性難聴に対する産業医の役割を教えてください。 

Q8-騒音の大きさはどの程度まで許されますか。 

Q8-ガイドラインの法的拘束力はどの程度ですか。 

Q8-ガイドラインに記載のない職場も同じような対応が必要ですか。 

Q8-常勤の騒音作業場の職員だけ健康管理の対象にすればよいですか。 

Q8-聴力検査で異常がわかっても受診しない本人や職場には罰則はありますか。 

Q8-騒音のある場所で調査をする予定です。どのくらいの時間であればよいか教えてください。 

Q8-騒音職場で長時間労働している労働者がいます。どう管理すればよいですか。 

Q8-3 dB倍時間のルールは妥当ですか。 

Q8-選別聴力検査で所見がなければ何もしなくてよいですか。 

Q8-衝撃音がありますが、持続的な騒音と同じように考えてよいですか。 

Q8-労働基準監督署の立ち入り検査に備えて、何を実施しておけばよいですか。 

Q8-騒音性難聴の労災認定はどのようになされますか。 

Q8-労災保険給付の申請書の書き方を教えてください。 

Q8-どのような種類の給付が受けられますか。

Q8-どのくらいの給付が受けられますか。

Q8-等級認定の聴力検査はどのように行うのですか。

Q8-難聴はごく軽度ですが耳鳴りが強くて困っています。障害として認められますか。

Q8-もともと難聴のあった人も同じように認定されますか。





小児難聴診療の手引き

www.jibika.or.jp/uploads/files/guidelines/shoni_nancho_0430.pdf


小児難聴診療の手引き

クリック先:www.jibika.or.jp/uploads/files/guidelines/shoni_nancho_0430.pdf



小児難聴がテーマとなっている為、総論としては、早い発見・療育、的確な支援・医療、が中心です。

内容は大きく分けて、①発見、②手段、③教育、④環境、⑤症状、⑥制度、といったもの。


①発見は、まずは新生児の検査について。

そこからの流れを具体的に示してくれています。

精密検査で行う、他覚的検査のABR、ASSR、OAE、自覚的検査のCOR、VRA、BOA、それぞれの利点や欠点、そして読み方が記述されています。

OAEについては、新生児を含む小児難聴の検査ですから、新生児期特有の外耳・中耳の影響等の影響を受けやすいことにも言及、又、結果良好とされてしまう場合でも要注意があるとして、特別に1項目作って解説してくれています。

早期発見した後の体制づくりについても、多様な難聴レベル・状態ごとに、分かりやすく書かれています。


②手段は、補聴器・人工内耳について。

調整の考え方にも触れていますし、補聴器をつけたがらない子供への対応についても書かれています。

人工内耳については、2022年の小児人工内耳適応基準を掲載して、条件を満たすなら言葉の獲得期に受けておく重要性を述べています。

手話やキュードスピーチについては、医療手段というより、身近にいる保護者が習得・活用を進めることになる一つの言語という立場になりますから多くは書かれていませんが、きちんと触れています。


③教育は、幼児期の療育施設やコミュニケーション手段について。

聴覚特別支援学校や通園施設の特徴、どのように利用するべきか、就学までに何を得るべきかについて考える内容になっています。

就学後についても、難聴学級や通級制度、教育課程の編成等について書かれています。

音声のみにとらわれず、読唇や手話を適時に併用するのも良し、豊かなコミュニケーション手段につながる等と触れています。


④環境は、福祉・教育現場の方にも目を通しておいてもらいたい内容となっています。

医療機関や保護者から情報提供として、これをこのまま渡しても良いのではないかと思える内容です。

補聴援助システムを含めた補聴機器を活用した教育方法やセルフアドボカシーについても。

教室内の騒音対策では、座席の重要性や教室の作り等にも触れています。

こうしたことの啓蒙が、近年の音響機器、視覚機器、AI活用をした、誰もに恩恵がある教育方法に結び付けることになるかもしれません。


⑤症状は、軽度難聴を含めた難聴レベルでの聞こえ方や重要ポイント。

当事者小児さんと過ごす保護者の方には実際が分かっていると思いますが、その症状をいざ学校や周囲の方に説明するのは難しいもの。

特に、軽度難聴、一側性難聴、進行性難聴などはなおさら見えない疾患だけに、こうして専門家が書いたものを読んでもらう方が分かってもらいやすいかもしれません。

ここ近年の動向を反映してか、遺伝学的診断のことも載せています。


⑥制度は、医療者が把握しておかなくてはならない部分になるでしょうか。

聴覚障害における身体障害者手帳、軽・中等度難聴児童への補聴器助成、共通テストでの配慮(手話通訳士などの配置や文書伝達も含め)事項等。

制度そのものよりも、検査の原理・測定技術を言語聴覚士さんが確立していることが重要かと思います。

その他、多くの制度は申請、耳鼻科医というだけではなく指定医に、といった注意事項が記されています。


全体としては96ページと長い文書ですが、子供の難聴が分かった時に、落ち着いて行動する為に役立つ良い文書だと思います。

特に、子供の環境的な配慮を求める時にも、該当部分を切り取って配布する等、長く役立つのではないでしょうか。

上記に、サイトアドレスを張っていますので、目を通してみてください。