2023年4月 更新報告
以前の様相を取り戻したような春です。
物価が上がっているのが懸念されますが、良き方向に安定しますように。
以下の項目を新規掲載いたしました。
① 新規:『聴覚補償の公募』項、新規掲載しました。
② 新規:『無線通信シェア』項、新規掲載しました。
2023年4月 更新報告
以前の様相を取り戻したような春です。
物価が上がっているのが懸念されますが、良き方向に安定しますように。
以下の項目を新規掲載いたしました。
① 新規:『聴覚補償の公募』項、新規掲載しました。
② 新規:『無線通信シェア』項、新規掲載しました。
聴覚補償の公募
毎年、年明けまもなくの時期、政府の将来的な動向が各省からの公募という形で募集されるようです。
今回も、厚生労働省や総務省など多くの案件が公募募集されました。
こうした公募採用となるメリットは、国がバックアップしてくれることなのでしょうか。
近年のIT化など顧みても分かるように、新しい方法が浸透するにはこうしたルートが一番早いように思います。
特に、市町村や公共機関といった現場レベルでは、公募採用事項となるとトップダウン、話が早そうです。
次世代の聴覚補償を国レベルで知って考えてもらうには、公募トライも良い案だとは思うのですが。。。
順番としては、前回の項『聴覚障害と支援機器(21)』で記載したニーズ内容を先にまとめる。
例えば、聴覚障害当事者のニーズ、公共での使用のネック、音声文字変換などのリンク活用、こうしたことへの必要度をまとめておく。
それから該当する公募に応募、というのが順序だと思うのですが、この公募期間というのが実に短い。
新しい通信システムを使う聴覚補償に対応しそうな公募は少なく、該当しそうな総務省のものにしても、2月の第一週で締め切りが来てしまっています。
公募に当たりそうな案件を出すことがメイン、と考えていたのですが、ちょっと違うようです。
その以前、応募方法がなんとも複雑で。。。ここで通常は折れそうです。
応募できる人はずいぶん限られてくるような気がするくらいです。
結果論からすると、今回応募できなかったわけなのですが。。。
応募についてネットでは分かりにくかったこと、又、公募に合致する内容なのかの確認も兼ねて、締め切り直前、身近なところにあった総務省の支局に話を聞きに行きました。
締め切りに忙しいころだと思うのですが、対応された方は時間を割いて話を聞いて下さり、応募に必要な手順を説明され、いずれ締め切りには間に合わないこと、案件は研究機関やメーカーからのアプローチが重要なことなど話されました。
携帯電話がイヤホンに繋がるジャックを消してから数年、今やワイヤレスイヤホンが標準となっています。
昔の標準を忘れるのは、なんと早いことか。
これから数年後、私達は放送やデバイスの音響をそのまま聞くだけではなく、ワイヤレスで自分に必要な時に、自分に必要な場所で、自分に必要な情報を、自分に必要な音量で得ているかもしれません。
形態は無線を使ったシェア的通信になりますが、得られる方法は個々の事情に合わせてカスタマイズされた方法、例えば人工内耳で、補聴器で、イヤホンで、というように、カスタマイズされた聴取方法で、情報をシェアしているかも。
要は、今ある常識の発想を変えてみよう、学校や家庭、病院や公共施設、社会全体を全ての人に対応できる形で考えてみよう、ということなのですが。
今のネット情報提供と同じです。
いや、ネットを使いにくい層を考えると、もっと平等といえるかもしれません。
受信できるイヤホン、補聴機器があれば、トランスミッター経由で情報が耳にストリームされるようになるのですから。
デジタル音声放送ですから、音聴出来ない人にはタブレットやスマホで音声文字変換が利用できるかもしれませんし、母語が違う外国人には翻訳変換が利用できるかもしれませんし。
(立ち話レベルですが、ICTの方からは、Auracast放送を活用して文字変換・翻訳変換するシステムの構築は可能とのこと、聞いています。)
現在、Bluetooth 5.2以上のイヤホンでも、ノイズキャンセル機能付きや高音質など銘打って、あれこれ店頭に並んで売られています。
値段も1万円を超えないものも多く、多くの人にやさしい値段といえるのではないでしょうか。
そのくらいのコストで無線音声放送に対応するイヤホンが用意出来たら、そして、社会が少しずつ大きな輪にした公共音声放送に向けて動いていけば、スマホがイヤホンジャックを失くしてワイヤレスイヤホン社会になったのと同様に、数年後には皆が音声を、情報を、もっと共有しやすい社会になっているのではないでしょうか。
無線放送シェア
家電店でも楽器専門店でもマイク売り場に行くと、マイクの種類について分かり易く解説したコメントが貼られていることが多くなりました。
マイクも大きく分けると、ダイナミック型マイクとコンデンサ型マイク。
どちらのマイクにも優れた特徴やデメリットがあります。
家電店や楽器専門店ではポスターや展示ボードを使って、しっかり案内してくれています。
使用用途や環境に合わせて、マイクを選ぶということは大事なのですね。
ついでに、マイクの指向性についても寄り道を。。。
こうしたマイクを使って、無線を通した公共放送を作るパターンをイメージしてみます。
実際にやってくださったのは、島村楽器店の女性スタッフの方。
まずは、選んだマイクをミキサーにつなげる。
実例は、YAMAHAのAGO3というミキサーを使っています。
ミキサーでマイクを通した音声がミキシングされて、聴きよい音声に調整されます。
それが接続されたトランスミッターから無線で出力される。
飛ばされた無線が、イヤホンなど補聴機器類であるレシーバーで受信される。
それを受信機数を限らずに飛ばせるようにしたものが、次世代の『Auracast』ということなのでしょうか。
人工内耳や補聴器のロジャーなどのような無線機も結構な台数の受信機に飛ばせることが出来ると思うのですが、それよりも広範囲の、規格さえ満たせば特に限定しない多様な受信機に飛ばせるようにしたというところが、『Auracast』の特徴といったところでしょう。
ここまではネット不要ですが、それをネット利用のスマホなど中継器に工夫づけることで、色々な放送の中から選局することもできるようになる、つまり、スマホなどを使うことによって複数の送信から選択して受信する、ということが可能になるということらしいです。
スマホのWi-Fiネットワークから接続するものを選択するように、個人や施設が発する放送への接続を選択するみたいなもの、と考えると分かり易いかも。
それを各自それぞれが、スピーカーで、イヤホンで、補聴器で、人工内耳で、タブレットで受信して聞いたり見たり、というところでしょうか。
どういう使い方ができるかというイメージは、Bluetoothカンパニーが提案してくれています。
どのように発展していくのか分かりませんが、Youtubeの初期も早く乗り出した方に大きなメリットが出たように、これも開発次第では大きく広がるものであるように思えます。
個人的には、営利よりも、聴覚補償の為に独立させたというBluetoothカンパニーの志をひいて、聴覚で悩む方々に役立つ発展を遂げてほしいと思っています。
コロナも一段落つき始めている現今、数年後には良き未来が訪れていますように。